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◆研究発表

多くの作品をデータベース化することによって、豊後南画の全容を徐々に解明していきます。

このコーナーでは、その事例を紹介します。

 

・平野五岳の印分析1

平野五岳は田能村竹田の画風に敬慕して、詩・画・書の三分野に傑出した三絶僧と呼ばれています。研鑽を重ね、60歳代に五岳独自の画法を生み出し、中央での評価も急速に高まり多くの作品を創作しています。この時代から晩年までに、最も多く利用された印の3点セットが下図①~③の印です。

 名声が高まる一方、巧みな贋作が多く出回っています。昨今のインターネットオークションで出品される五岳作品の、6割以上が贋作と思われます。これを識別するための要素の中で印の分析は重要です。

ところで①~③の印は、五岳亡き後に残された印鑑を押した遺印です。利用され始めて40年近く経過した最終の形なのです。これを基本印としますが、この印影のみで照合するには限界があります。

そこで鑑定登録済み作品の印を時系列に集めれば、年代ごとの印影が浮き彫りになってきます。46

 

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関防印(印文:知雨)

関防印(印文:知雨)

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姓印(印文:五岳)

姓印(印文:五岳)

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各印(印文:古竹園主)

各印(印文:古竹園主)

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